電気自動車(EV)での旅行は、環境に優しく、風を切る自由なドライビングを体験できます。しかし、ガソリン車とは異なり、充電計画をしっかり立てておくことが重要です。
この記事では、EVスタンドでの充電をスムーズに行い、快適な電気自動車旅行を楽しむための充電計画の立て方、注意点、そして役立つ情報をご紹介します。
EVスタンドの充電器の種類と出力の違い
EVスタンドには、主に普通充電器と急速充電器の2種類があります。 普通充電は、一般家庭や事務所などに備えられているコンセントの電圧(100V/200V)で充電する方法です。車種や充電設備により多少の変動はありますが、一般的には100Vコンセントで1時間、200Vコンセントで30分間充電すると、およそ10km程度の走行が可能だとされています。
急速充電は、充電スタンドに設置されている急速充電器を利用する方法です。高速道路のSA・PAや道の駅などに設置されていることが多いです。急速充電器は、普通充電器よりも高い電圧で充電するため、短時間で充電することができます。[参考]
充電器の種類 | 出力 | 充電時間(目安) | 設置場所 |
---|---|---|---|
普通充電器 | 3kW~6kW | 8~12時間 | 自宅、職場、商業施設など |
急速充電器 | 50kW~350kW | 20分~1時間 | 高速道路SA・PA、道の駅、商業施設など |
普通充電器は、自宅や職場など、長時間駐車できる場所に設置されていることが多いです。 一方、急速充電器は、短時間で充電できるため、高速道路のSA・PAや道の駅など、移動中に立ち寄る場所に設置されていることが多いです。
EVスタンドの充電器に対応している電気自動車の種類
ほとんどのEVは、普通充電器と急速充電器の両方に対応しています。しかし、一部のEVは、CHAdeMOやCCSといった、特定の急速充電規格にしか対応していない場合があります。DC急速充電には、CHAdeMO、CCS、NACS(テスラ)の3つのコネクタタイプがあります。ほとんどのメーカーはCCSを採用し、CHAdeMOは日産と三菱が使用し、テスラ・スーパーチャージャーはテスラ車のみが使用しています。ご自身のEVがどの規格に対応しているか、事前に確認しておきましょう。
(※コネクタタイプの情報が古い可能性がありますので適宜、最新の情報をご参照ください。)
旅行ルート上のEVスタンドを検索できるウェブサイトやアプリ
旅行ルート上のEVスタンドを検索できるウェブサイトやアプリは、数多く存在します。
- Google マップ: EV充電スタンドをルート上に表示することができます。デスクトップ版では、出発地と目的地を入力し、「ルートに沿って検索」を選択して「EV充電スタンド」を検索するだけで、ルート上のすべての充電スタンドが表示されます。スマホ版では、右上の3つのドットをタップし、「ルートに沿って検索」をタップします。
- EVsmart: 充電スポットの検索、充電器の空き状況確認、ルートプランニングなどができます。
- A Better Route Planner (ABRP): 車種やバッテリー残量、充電ステーションの好みなどを考慮して、最適なルートを作成してくれます。ABRPは無料で利用できる強力なツールです。
- PlugShare: 充電スポットの検索、レビューの確認、充電器の予約などができます。PlugShareは、充電スポットに関する情報だけでなく、最近の利用状況や評価も確認できます。
これらのツールを駆使することで、EVスタンドの場所、充電器の種類、出力、利用料金などを事前に確認することができます。 また、これらのツールは最新の情報を持っているとは限らないため、複数のアプリを併用して情報を確認することをお勧めします。
旅行ルート上のEVスタンドの充電器の種類、出力、利用料金を調べる方法
EVスタンドの充電器の種類、出力、利用料金は、上記のウェブサイトやアプリで調べることができます。
- 充電器の種類: 普通充電器か急速充電器かを確認します。
- 出力: kW(キロワット)で表示されます。数字が大きいほど、充電速度が速くなります。
- 利用料金: 1kWhあたりの料金や、1分あたりの料金で表示されます。
電気自動車の航続距離や充電時間を考慮した旅行計画の立て方
EV旅行の計画を立てる際には、以下の点に注意しましょう。
Step | Description | Considerations |
---|---|---|
1. EVの航続距離を把握する | カタログ値はあくまで目安です。気温や走行条件によって、航続距離は大きく変わります。 | 気温が低い場合や、坂道が多い場合は、航続距離が短くなる可能性があります。また、エアコンやシートヒーターの使用も、バッテリーの消費に影響します。 |
2. 充電スポットを事前に確認する | ルート上の充電スポットを、ウェブサイトやアプリで調べておきます。充電器の種類や出力も確認しておきましょう。 | 目的地までのルートや距離、充電ステーションを事前に確認しておきましょう。充電ステーションはEVのナビゲーションシステムやスマートフォンアプリを使って検索することが可能です。 |
3. 充電時間を考慮する | DC急速充電器は、一般的にEVのバッテリーを1時間以内に80%まで充電できます。しかし、充電時間は、気温、バッテリーの残量、充電器の種類、車の技術などによって異なります。 | 急速充電であっても、ある程度の時間はかかります。時間に余裕を持った計画を立てましょう。 |
4. 充電残量に注意する | 充電残量が少なくなると、不安になります。こまめに充電する計画を立てましょう。 | 充電残量が少ない状態で走行すると、電欠になる可能性があります。電欠になると、ロードサービスを呼ぶ必要があり、時間と費用がかかります。 |
5. 宿泊施設の充電設備を確認する | 宿泊するホテルや旅館に充電設備があれば、 overnight charging ができます。 | 宿泊施設に充電設備があれば、夜間に充電することができます。 |
6. 予備の充電スポットを検討する | 充電スポットが使用できない場合に備えて、代替案を検討しておきましょう。 | 充電スポットが故障していたり、他のEVが使用中の場合もあります。 |
7. 高速道路での充電に注意する | 高速道路のSA/PAに設置されている急速充電設備は、1回あたり30分までの利用に制限されていることが多いため、バッテリー容量が大きいEVの場合は30分の充電だとあまり回復しません。 | 余裕を持って注ぎ足していくように計画することが重要です。 |
8. 20~80%の充電を心がける | 一般的に、EVドライバーは、日常の運転ではバッテリー残量を20~80%に保つことが推奨されています。これは、バッテリーの劣化を早めるのを避けるためです。しかし、長距離の旅行では、バッテリーを最大100%まで充電することができます。 | バッテリーの劣化を防ぐため、100%の充電状態を長時間維持しないようにしましょう。 |
9. 急速充電器では80%までの充電にとどめる | 急速充電器で80%を超えて充電すると、充電速度が大幅に低下します。 | 時間効率を上げるために、急速充電器では80%までの充電にとどめましょう。 |
10. こまめな充電を心がける | こまめに充電することで、充電時間を短縮し、より頻繁に休憩を取ることができます。 | 100%まで充電するよりも、こまめに充電する方が、全体的な旅行時間を短縮できる場合があります。 |
11. 充電スポットまでの移動時間を考慮する | 特に高速道路から離れた場所にある充電スポットを利用する場合は、充電スポットまでの移動時間を考慮しましょう。 | 充電スポットまでの移動時間を考慮することで、より正確な旅行計画を立てることができます。 |
12. 事前に充電ネットワークの支払い方法を設定する | 異なる充電ネットワークでは、異なる支払い方法が必要になる場合があります。 | 特に初めてのEV長距離旅行の場合は、事前にすべての可能なネットワークのアプリをダウンロードし、アカウントと支払いを設定しておくと便利です。 |
13. 天候や道路状況に注意する | 寒い天候や強い向かい風、坂道などは、バッテリーの消費量を増やす可能性があります。 | これらの条件下では、予定よりも早く充電が必要になる場合があります。 |
14. EVのプリコンディショニング機能を活用する | 一部のEVには、バッテリーを充電に最適な温度に温めたり冷やしたりするプリコンディショニング機能があります。 | 極端な天候下では、プリコンディショニング機能を使用することで、充電効率とバッテリー性能を向上させることができます。 |
EV旅行のメリット
EVでの旅行は、環境に優しいだけでなく、ガソリン車と比べて多くのメリットがあります。
- 経済性: 電気料金はガソリンよりも安いため、燃料費を節約できます。
- 静粛性: EVはエンジン音がしないため、静かで快適なドライブを楽しめます。
- 環境性能: EVはCO2を排出しないため、環境にやさしいです。
- 快適性: EVは加速がスムーズで、振動も少ないため、快適な乗り心地です。
EV充電インフラの現状と将来展望
政府は、EVの普及を促進するために、充電インフラの整備に力を入れています。2030年までにEV充電スタンドを15万基にまで増やす計画があり、2023年度は充電インフラ整備に175億円もの補助金がかけられています。これらの取り組みによって、EVでの旅行はますます便利になっていくでしょう。
EVスタンドでの充電マナー
EVスタンドを利用する際は、以下のマナーを守りましょう。
- 充電中は、できるだけ車から離れないようにする。 やむを得ず離れる場合は、連絡先を分かりやすい場所に明記しておきましょう。
- 充電が完了したら、速やかに車を移動させる。 次の利用者が待っている場合があります。
- 「おかわり充電」は控える。 急速充電が完了した後に、再度充電することを「おかわり充電」と言います。混雑時は、他の利用者に配慮しましょう。
- 充電スペースに車を放置しない。 充電していないのに、充電スペースに車を停めておくのはやめましょう。
EVスタンドでのトラブル発生時の対処法
EVスタンドでトラブルが発生した場合は、以下の手順で対処しましょう。
- 落ち着いて状況を確認する。 エラーメッセージが表示されている場合は、内容を確認します。
- 充電器の操作マニュアルを確認する。 マニュアルにトラブルシューティングが記載されている場合があります。
- 充電スタンドの管理者に連絡する。 緊急連絡先が記載されているはずです。
- ロードサービスに連絡する。 JAFなどのロードサービスに連絡して、救援を要請します。
- PlugShareで地元の充電器を借りる: PlugShareを使えば、互換性のある充電器を持っている地元の人と繋がることができます。
電気自動車での旅行を楽しむための追加情報
EV旅行をより楽しむための情報をまとめました。
- 電費を意識した運転: 急発進や急ブレーキを避け、エアコンの使用も控えめにすると、電費が向上し、航続距離を延ばすことができます。
- 景観の良いルートを選ぶ: EVは静かなので、景色や音を楽しむ余裕があります。
- 道の駅や観光スポットに立ち寄る: 充電中に、地域の特産品や観光を楽しむことができます。
- EV関連のイベントに参加する: EVの試乗会やオフ会などに参加してみるのも良いでしょう。
まとめ
この記事では、EVスタンドでの充電計画の立て方、注意点、そして役立つ情報をご紹介しました。これらの情報を参考に、EV旅行を計画してみて下さい。
EV旅行は、環境に優しく、新しい発見に満ちた旅になるでしょう。
EVはまだ新しい技術ですが、急速に普及が進んでいます。 EV旅行を通して、環境問題やエネルギー問題について考えるきっかけにもなります。ぜひ、EV旅行を体験し、その魅力を感じてください。
たび友|サイトマップ
関連webアプリ
たび友|サイトマップ:https://tabui-tomo.com/sitemap
ピー友:https://pdftomo.tabui-tomo.com