PEGレシオとは? 初心者にもわかりやすく解説!

株式投資メモ

株式投資の世界では、様々な指標が使われていますが、その中でも「PEGレシオ」は、企業の成長性を加味した指標として注目されています。PER(株価収益率)はよく知られていますが、PEGレシオはさらに一歩踏み込んで、将来の成長性を考慮することで、より精度の高い投資判断を可能にするツールと言えるでしょう。

この記事では、PEGレシオについて、初心者の方にも理解しやすいように、定義から計算方法、使い方、メリット・デメリットまで詳しく解説していきます。PEGレシオを理解することで、株式投資の分析力が向上し、より効果的な投資戦略を立てることができるようになるでしょう。

PEGレシオの定義

PEGレシオとは、「Price/Earnings to Growth ratio」の略で、日本語では「株価収益成長率」と呼ばれます。簡単に言うと、株価が企業の利益と将来の成長率に対して割高か割安かを判断するための指標です。 これは、企業の成長率を考慮に入れた唯一の指標です。   

PERは現在の株価と1株あたり利益の比率であり、企業の収益性を評価する指標として広く使われています。しかし、PERだけでは将来の成長性が見えないため、成長性の高い企業と低い企業を単純に比較することができません。 そこで、PERに将来の成長率を加味したのがPEGレシオです。PEGレシオは、Mario Farinaによって1969年の著書「A Beginner’s Guide To Successful Investing In The Stock Market」で初めて紹介され、後にPeter Lynchによって1989年の著書「One Up on Wall Street」で広められました。   


PEGレシオの計算方法

PEGレシオの計算式は以下の通りです。

PEGレシオ = PER ÷ 予想EPS成長率

PERは株価を1株あたり利益(EPS)で割ることで求められます。予想EPS成長率は、将来のEPSの成長率の見込みです。これらの数値は、証券会社や金融情報サイトなどで入手することができます。

例えば、ある企業の株価が1,000円で、EPSが50円、予想EPS成長率が10%だとすると、PEGレシオは以下のように計算されます。

  1. PER = 1,000円 ÷ 50円 = 20倍
  2. PEGレシオ = 20倍 ÷ 10% = 2

PEGレシオを計算する際には、将来の成長率の見積もり方によって、いくつかのアプローチがあります。   

  • フォワードPEG: 将来の予想成長率を用いる方法。
  • トレーリングPEG: 過去の成長率を用いる方法。

どちらのアプローチが正しいということはありません。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、適切な方法を選択することが重要です。

PEGレシオの使い方

PEGレシオは、一般的に以下の基準で評価されます。   

PEG RatioInterpretationInvestment Implication
PEGレシオ ≦ 1割安投資妙味あり
PEGレシオ ≧ 1割高投資に注意が必要

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つまり、PEGレシオが1以下の場合は、株価が将来の成長率に対して割安であると考えられ、投資対象として魅力的です。 逆に、PEGレシオが1を超える場合は、株価が将来の成長率に対して割高である可能性があり、投資には慎重になるべきです。   

ただし、PEGレシオはあくまでも目安であり、これだけで投資判断をするのは危険です。他の指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。また、業種によって成長率の期待値が異なるため、同じ業種内の企業を比較することが重要です。 例えば、テクノロジー業界は一般的に高い成長率が期待されるため、PEGレシオが高くても割高とは限りません。   

PEGレシオのメリット

PEGレシオのメリットは、以下の点が挙げられます。   

  • 成長性を考慮できる: PERでは考慮されない成長性を加味することで、より精度の高い企業評価が可能になります。
  • 将来志向の指標: 過去の業績だけでなく、将来の成長性に基づいて評価するため、将来性のある企業を見つけるのに役立ちます。
  • 企業間の比較: 成長率の異なる企業間でも、PEGレシオを用いることで、公平な比較ができます。

PEGレシオのデメリット

PEGレシオには、以下のようなデメリットもあります。   

  • 予想成長率の不確実性: 将来的に成長率がどうなるかは誰にもわからないため、PEGレシオの信頼性は予想成長率の精度に左右されます。
  • すべての企業に適用できるわけではない: 成長率の低い企業 や赤字企業には、PEGレシオは適していません。   
  • 定性的な要素を考慮できない: 企業の経営陣の質や競争力など、数値化できない定性的な要素はPEGレシオでは評価できません。

PEGレシオを用いた投資戦略

PEGレシオは、PERを将来の成長率で調整することで、投資家が株式が割安か割高かを判断するのに役立ちます。 また、将来の成長の可能性に基づいて、割高または割安な株式を特定するのにも役立ちます。   

PEGレシオは、様々な投資戦略に活用することができます。

  • 割安株の発掘: PEGレシオが1以下の割安株を見つけ、長期投資を行うことで、高いリターンを狙うことができます。
  • 成長株の比較: 複数の成長株をPEGレシオで比較し、より割安な銘柄に投資することができます。
  • ポートフォリオの構築: PEGレシオを参考に、成長性と割安性のバランスが取れたポートフォリオを構築することができます。

例えば、ある投資家が2つの企業、A社とB社を比較しているとします。A社のPERは20倍、予想EPS成長率は15%で、PEGレシオは1.33です。一方、B社のPERは30倍、予想EPS成長率は35%で、PEGレシオは0.86です。PERだけを見るとA社の方が割安に見えますが、PEGレシオを考慮するとB社の方が割安で、成長の潜在力が高いことがわかります。

予想EPS成長率の情報源

PEGレシオを計算する上で重要なのは、予想EPS成長率をどこから入手するかです。信頼性の高い情報源としては、以下のものがあります。

  • 証券会社のリサーチレポート: 証券会社は、アナリストが企業を分析し、予想EPS成長率を含む詳細なレポートを作成しています。これらのレポートは、証券会社のウェブサイトや取引ツールで閲覧することができます。
  • 金融情報サイト: Bloomberg、Reuters、FactSetなどの金融情報サイトでは、アナリストの予想EPS成長率のコンセンサスデータや、企業自身の業績予想などが掲載されています。
  • 企業のIR情報: 企業は、決算発表や投資家向け説明会などで、将来の業績見通しを発表することがあります。企業のウェブサイトやIR資料で確認することができます。

まとめ

PEGレシオは、PERに成長率を加味することで、企業の将来性を考慮した投資判断を可能にする指標です。しかし、予想成長率の精度や定性的な要素など、考慮すべき点もいくつかあります。PEGレシオはあくまでも投資判断の材料の一つとして、他の指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。

特に、成長株投資やバリュー株投資など、投資スタイルによってPEGレシオの使い方は異なります。成長株投資では、高い成長率を維持できる企業に焦点を当てるため、PEGレシオはやや高めでも許容されることがあります。一方、バリュー株投資では、割安な企業に投資するため、PEGレシオが1以下の企業を重視する傾向があります。

さらなる学習のために

PEGレシオについてさらに深く学びたい方は、以下の資料も参考にしてください。

免責事項: この記事は情報提供を目的としたものであり、投資アドバイスではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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